島原市は2026年度の水道事業について、老朽管路の更新と耐震化を重点施策として進めます。市の2026年度施政方針では、「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念とし、安全、強靱、継続の3つを柱に持続可能な水道事業経営を進める方針が示されました。特に注目したいのが、島原市上下水道耐震化計画に基づく「重要施設配水管」の整備です。

重要施設配水管とは、災害時にも給水を継続する必要性が高い施設へ水を届ける管路です。病院、避難所などの重要施設では、建物そのものが使用可能でも水が届かなければ機能を十分に発揮できません。そのため、水道施設の耐震化では浄水・配水施設だけでなく、そこから重要施設までの配水経路全体を考える必要があります。

島原市は社会資本整備総合交付金を活用した水道総合地震対策事業を実施し、管路更新率、耐震化率、有収率の向上を図るとしています。有収率とは、配水した水のうち料金収入につながった水量の割合です。老朽管から漏水が発生すると貴重な水が失われ、ポンプ動力や維持管理費も無駄になります。したがって老朽管更新は災害対策だけでなく、経営改善や省エネルギーにもつながります。

島原半島の設備業者にとっても、公共側の管路耐震化は無関係ではありません。道路下の配水管更新に合わせて給水引込管の状態を確認したり、宅地内の古い給水管を更新したりすることで、将来の漏水リスクを減らせる場合があります。また公共工事では耐震継手、管材、弁類、埋設表示、施工品質管理などがより重要になります。

住民や施設管理者も、建物側の給水管が古い場合には公共側が耐震化されても宅内側で漏水する可能性があります。水道の耐震化は道路の下だけの話ではなく、配水管から建物内部まで一連の設備として考えることが重要です。