水道設備の耐震化というと浄水場や配水池など大型施設が注目されますが、実際の断水を左右する重要な設備が道路下に張り巡らされた管路です。国土交通省は2026年3月27日に「管路の耐震化に関する検討会」の第1回会合を開催し、水道管路の耐震適合性や令和6年能登半島地震による管路被害の分析を進めています。

島原半島も地震、豪雨、火山災害などを想定したインフラ対策が欠かせない地域です。水道管は一度埋設すると数十年にわたり使用されるため、更新時には単に古い管を新しい管へ交換するのではなく、地盤、口径、使用圧力、道路条件、既設管との接続、将来の維持管理まで考える必要があります。

水道管にはダクタイル鋳鉄管、配水用ポリエチレン管、硬質ポリ塩化ビニル管など複数の種類があり、使用場所や口径、自治体の仕様によって採用される材料が異なります。耐震性能についても「新しい管ならすべて同じ」ではありません。管本体だけでなく継手部分が地震時の伸縮や変位に対応できるかが重要で、採用する管・継手は各水道事業者の設計基準や仕様書を確認する必要があります。

宅地内の給水管でも考え方は同じです。道路側の配水管が更新されても、メーターから建物までの給水管が古ければ、漏水や赤水など別の問題が残る可能性があります。建物のリフォームや外構工事を行う際には、見える部分の蛇口だけでなく、給水管の材質、経過年数、埋設経路も確認しておくと将来の二重工事を減らせます。

施工会社にとっては、道路掘削を伴う工事で他の地下埋設物を把握することも欠かせません。水道、下水道、電力、通信などが限られた道路空間に収まっているため、図面確認と現地調査を省略することはできません。

今後、国の検討を受けて耐震適合性に関する考え方が整理される可能性があります。島原市、雲仙市、南島原市で公共管路や給水設備の更新に関わる事業者は、従来仕様を固定的に使うのではなく、発注者の最新仕様と国の技術情報を工事ごとに確認することが重要です。