災害時の水対策というと飲料水の確保が最初に思い浮かびますが、同じくらい重要なのが排水とトイレです。水道が復旧しても下水道が使えなければ、通常通りトイレへ水を流すことはできません。国土交通省は下水道の地震対策として管路の耐震化、下水道BCP、災害時のトイレ機能を確保するマンホールトイレなどを推進しています。マンホールトイレは、災害用に整備した下水道管路上のマンホールに便器や簡易な上屋を設けて使用する仕組みです。避難所などで大量の携帯トイレ廃棄物を管理する負担を減らせる可能性がありますが、下水道施設が使用できることが前提になります。このため管路、処理場、ポンプ施設を含めた耐震化が重要になります。島原半島は1990年代の雲仙・普賢岳噴火災害を経験し、豪雨や地震など複数の災害に備える必要がある地域です。住宅や事業所でも、災害時には水を確保するだけでなく、排水できない場合を想定して携帯トイレを備蓄しておくことが有効です。施設管理者は断水時に便器へバケツで水を流す運用を考えがちですが、下水道管が破損している場合には流さない方がよいケースがあります。災害時には自治体からの下水道使用に関する案内を確認してください。上水道と下水道を一体のライフラインとして考えることが、地域の衛生環境を守る基本になります。